チャイコフスキー・コンクール: ピアニストが聴く現代 (新潮文庫 な 76-1)

著者 :
  • 新潮社 (2012年2月27日発売)
3.93
  • (7)
  • (14)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 100
感想 : 10
4

ロシアがソ連の時代。今と異なる国際情勢、審査員たちの人間味あふれる評価、すべてが新鮮に映って見える。

音楽的なことで気になったのは、「なぜバッハをショパンのように弾いてはいけないのか」ということを言及していたこと。
しかし、「音楽性」ということばが私には難しく、正直理解に苦しんだ。私もピアノを習っていた頃にベートーヴェンをショパンのようには弾かないと教わっていた。そういうもんだと思ってたから、理由について詳しく知りたかった。

それにしても、トランシーバーでコミニケーションとりながら順位を決めるシーンは笑えた。
・1位は2人がいい。ひとりは皆同じ意見で、もうひとりは審査員によって異なる。それなら、その人を1位にして2位を決めればよくないか(正論)
・「ソ連製のトランシーバーはダメだなぁ」「東京でやったときはソニー製だったからうまくいったのかもしれない」←国際ジョークで紅茶噴いた

中村紘子さんの文章は冷静で読みやすい。絶妙に感情も混じるのでそれがまたいい。

今回は図書館で借りた本だから返さないといけない。だけど、また読みたいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月21日
読了日 : 2022年3月21日
本棚登録日 : 2022年3月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする