お家、見せてもらっていいですか?

著者 :
  • KADOKAWA (2023年12月21日発売)
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本棚登録 : 120
感想 : 5
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先日、作者さんのエピソードがネット記事で紹介されているのを見て興味を持ち、本屋3軒回って購入しました。
自由研究のテーマで各家を訪問することでその人の人生に触れ、道生の住みたい家に対する考えも広がっていき、最終話に繋がっていくという構成は良かったです。特に、最終ページのシーンはなるほどなぁ~と思いました。また、ちょいちょい挟まれる実在のお菓子も興味深かったです。(福砂屋のカステラとか食べてみたい)
が、以下の理由により評価が低めです。
①道生のキャラ
趣味について「自分が楽しめるかどうか」と一見いいことを言っているように見えるのですが、これは「自分さえよければいい」と紙一重かなーと…。
例えば、見学させてもらったコンパクトハウスの人に対して「狭い」と言ったり、別の人の家では断られて立ち去るかと思っていたらその場にとどまり続けたり…何だろう、「子供だから」では済まされない無神経さ・強引さが目に付いてしまいました。訪問を許可した人が寛容だったから許されたわけで、これは美談にしてはいけないなと。
②イラストの下手さ
ヘタウマなんて言葉もあるけど、これは下手の部類に入るでしょう…。線の太さの不安定さや、あるキャラの首の不自然な太さとか気になりましたが、一番は「輪郭線が繋がっていない」のが気になって気になってなかなか話に入り込めなかった。。チラ裏の落書きを見せられているのか?と思いました。
そして幕間ごとに各家の間取りも載っているのですが、字が汚くて読めねーと思っていたら、道生のレポートという体だったんですね…。だとすると、小3の割に難しい漢字使ってないか?とも思ったけど。
③紙書籍の値段設定
電子だと多少安くはなるのでしょうが、紙書籍で1540円ってこれは高いですねw
『家が好きな人』(著:井田千秋)は紙書籍で1870円もしましたが、フルカラーだったし色合いも暖かみがあったので納得は出来るのですが、対してこちらは…。この下手さで1540円はないなー。半額ならまだ納得できたかもしれない。(『あした死ぬには、』(著:雁須磨子)の紙書籍もなかなか強気な値段だった)
何だろう、A5判?のサイズだと高くなる的な暗黙のルールでもあるんですかね…?だとしたら値段に見合った絵を描いてほしい、と思いました。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 95:日本文学、評論、随筆、その他
感想投稿日 : 2024年3月5日
読了日 : 2024年3月3日
本棚登録日 : 2024年2月27日

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