被爆体験について書き続けてきた作家の最新短篇集。JCO事故を受けて書かれた「収穫」ほか5編を収める。表題作は、被爆により進学をあきらめざるを得なかった若い女性が主人公。彼女は最後に子どもを「創る」決心をするが、それが常に叶うとは限らないのが現実というもので、そのとき希望は何に転じるのだろうかと、考え込んでしまう。被爆とは、ジェンダーを抜きには語れない経験なのだ。上海の娘時代と現在を夢現のように行き来する老女4姉妹を描く「ぶーらんこ ぶうらんこ」も印象に残った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本の小説
- 感想投稿日 : 2011年8月31日
- 読了日 : 2011年8月29日
- 本棚登録日 : 2011年8月30日
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