アニメは何度も見返していて、大好きな作品。
「原作ってどうしてもアニメと違う」とかそんなことを考えてしまいがちで初見のときから今まで読まずにいた原作、つい数日前に読み始めました。
読んだ感想を言うと素晴らしい原作、そしてアニメ化。
ほぼ原作通りに話は進むけれどそのタイミングであるとか、空気感であるとかをみごとに補完する内容のアニメになっており素晴らしかったです。
そしてこの原作は1巻からすでに美しい色づかいや線に圧倒されます。
本当にそれだけで原作を読んでよかったという気持ちにさせられます。
アニメ版とは微妙に違うタイミングの演出に『あ、解釈がちがうんだ』とか思いながら読み進めることができて両方の解釈に納得したりしてそういうのも面白いです。
あと大切なこの漫画のテーマ部分。この頃はきっとこういう感じだったのだろうと推測しながら読みました。今からおよそ20年前に連載が始まった作品なので、今とも状況が全く変わっているということが実際にこの作品のテーマや空気を作っているという印象を受けました。
当時の世界はまだこの漫画を『とても特殊な漫画という設定』で読みそうだなというふうに思いました。
話はとても普遍的な話をしているだけだと思うのですが、それでも当時の世界はちょっと違う色目を持っていたように思うのです。
今はもっと多様な世界が見える世界でもあるし、同時にそのことが細かくこだわる人たちには高い壁をたくさん作る時代でもあります。
この作品はその壁の遥か高くから眺めているような作者の希望にあふれる意欲作だと信じてやみません。
- 感想投稿日 : 2023年11月21日
- 読了日 : 2023年11月20日
- 本棚登録日 : 2023年11月20日
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