銘々享楽さんの感想・レビュー

ジンニスタン　1　砂漠と海の物語 (アース・スターノベル)

著者 : 二宮酒匂

• アース・スター エンターテイメント (2015年2月13日発売)

人族が支配する諸都市連合と、長命種族のジンが支配する帝国が争う世界。追い込まれた諸都市連合は、和睦交渉中の人質として各都市から子供を人質として差し出した。主人公は人質の一人として、とあるジン族の姫の管理下に置かれる。


ギリシャ神話や十字軍といった辺りの用語を取り入れたファンタジーもの。
序盤に主人公と姫の剣による対決があるが、主人公は「故郷の名誉を守るため」に負ける気も引く気もない。人質側が勝ったり、万が一姫に傷をつけたらエラいことになるのでは？ それとも子供だからそこまで考えが及ばないのだろうか、ともやもやしながら読みすすめたが、ちゃんと考慮されていた。これで一気に読書欲が上がった。
その他にも人質のわりに主人公の態度がデカい点など疑問を感じる箇所も後に補足されたりと、矛盾を放置しないところに好感が持てる。

話の大筋は王道、表紙からわかるとおりそこにラブコメも入っている。
だが昨今のなろう系のように残念な文体ではないので読みやすい。続刊が出ていないのがもったいなく感じるぐらいだ。

感想投稿日 : 2024年3月18日

読了日 : 2024年3月18日

本棚登録日 : 2024年3月18日