ちょっとズルをして解説から読んだ。どんな犬なの? 興味津々だった。
北上次郎さんは
これは、心に傷う撃った人間と犬の物語だ。ミステリー・ファンはもちろんだが、犬好き読者にも是非おすすめしたい、もう、たまらんぞ。
肉声を聞くような 笑
犬も猫も好き。猫語は少し分かる気がする。犬はいなくなって随分日がたった。
家に来た子供の時はくりくりした丸い眼でそれは可愛いかった、コッカースパニエルだ。大人になると金色の長い毛を持ち成長するにしたがって優美になって声も低く、怒ったこともない。夕方の散歩にいくと逆光で長い毛が光の玉のようになって走る姿が今でも浮かぶ。病気になって、いなくなってしまってからもう犬は飼わないと決めた。
でもこの本を読んで、ジャーマンシェパードと一緒に歩きたくなった。
勇敢なのにメスでマギーという。、仕事が出来るががなんとも優しい雰囲気を持っている。元は有能な爆発物探知犬でしっかり教育を受けている。アフガニスタンでハンドラーが撃たた時にかばって腰を撃たれた。それが深いトラウマになっていて、訓練所でも優れた力があるが勇敢さに欠けるように見える。
そこに、パトロール中に銃撃に巻き込まれ同僚を失った警官スコットが来る。休養の勧告を無視して、現役を望み、犬と組む仕事を選んだのだ。
勧められた警察犬の中から、ストレス障害だといわれたマギーをとっさに選んでしまう。
この傷ついた2人組がいかにもたまらん、この結びつきを折に触れて、ちょっと、これでもかと書いてある部分は、泣かせる気?解っていてもウルウルとなってしまう。
そんなマギーとスコットの友情が深まるにつれ、銃撃の犯人を捜すことも核心に近づき、ますます危険が迫ってくる。
情け容赦なく発砲した犯人たち、殺された2人の側からつながりを探しだそうとする、危険な仕事に足を踏み入れる。
そういったストーリーも面白い。マギーの特殊な嗅覚は驚くべき力を発揮する。嗅覚の鋭敏さは全ての犬が持っているが、マギーのような犬種はそれが特別に優れているそうで、その鼻腔の構造も、関知細胞も人とは比較にならないほど発達していると言う。
殺された相棒が「置いていかないで…」といった最後の言葉が悪夢になって苦しめる。犯人探しは止められても止められるものではない。だが徐々にマギーもも回復しているようだ。
事件は意外な展開を見せてくる。
これを読んでいる間中、スコットがそばで座っているマギーを撫でていると、なぜかそばに犬がいるような気がした、余りに従順で勇敢で、言葉に敏感である。落ち込めば気配を感じて慰める眼をする。
マギーを読んでいる時はマギー一色になった。久々の一気読み。
- 感想投稿日 : 2019年12月30日
- 読了日 : 2019年12月30日
- 本棚登録日 : 2019年12月28日
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