そらいろのたね

  • 福音館書店 (1967年1月20日発売)
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本棚登録 : 4087
感想 : 277
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 子供の頃、わたしは「ぐりとぐら」には接していませんでした。
 その代わりこの本が家にありました。なかがわりえこ&おおむらゆりこの「そらいろのたね」。
 のはらで、ゆうじが飛ばしていた、模型飛行機をきつねがうらやましがり、きつねがポケットから取り出した宝物、“そらいろのたね”と交換にその飛行機をあげました。
 ゆうじが家の庭に“そらいろのたね”をまくと、そこから小さな“そらいろのおうち”が咲き、ひよこがやってきて入りました。どんどん水をあげるとんどん“おうち”は大きくなり、猫も入り、ぶたも入り、ゆうじの友達も入り、ぞうも入り、町中の子供たちと動物たちが入っで、楽しいマンションのようになりました。
そこへやってきたキツネが驚いて「ここは、僕のうちだからね。みんな出ていってよ。」。
そして、子どもが百人、動物が百匹、鳥が百羽出ていき、キツネは大きな家を独り占めしましたが……。

そらいろの素敵なおうち、沢山の動物たち。さるかに合戦とウクライナ民話「てぶくろ」と旧約聖書の「バベルの塔」を合わせたようなお話だなと改めて読んで思いました。これは傑作絵本だと思います。キツネは寓話に出てくるような“欲張りなやつ”だけれど、キツネの表情が一番愛おしいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月13日
読了日 : 2022年6月13日
本棚登録日 : 2022年6月13日

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コメント 5件

goya626さんのコメント
2022/06/13

Macomi55さん
うわあ、なつかしい本です。子どもたちに読み聞かせしました。自分の子どもたちに、そして1年生を担任した時の子どもたちに。いい本ですよね。ぐりとぐらも、何回も読み聞かせしましたよ。子どもたちと一緒に、節をつけて、ぐりとぐらの歌も歌いました。

ちゃたさんのコメント
2022/06/13

Macomi55さん
これは名作ですね!
うちの娘が大好きだったのでおもわずコメントしてしまいました。ひとつの種からどんどん世界が広がっていって傑作だと思います。個人的には「ねことらくん」もすきでした。

Macomi55さんのコメント
2022/06/13

goya626さん
「ぐりとぐら」は有名ですが、「そらいろのたね」の思い出を語ってくれる人に巡り合わなかったので、「懐かしい」と言ってもらえて嬉しいです。きつねくんはまあ、欲張りなんですが、「友達作りの下手なやつだなあ」と思えて、憎めないんです。

Macomi55さんのコメント
2022/06/13

ちゃたさん
こんばんは。いつも有難うございます。私が子供の時、家に絵本があまりなく、当時は我が市には図書館もなかったので、多くの絵本には接していなかったのです。子供には「ぐりぐらシリーズ」など沢山の絵本を与えて読み聞かせしましたが、子供の時に接した数少ない絵本の「そらいろのたね」が良かったなと懐かしく思ってました。今日、実家に行って、シミだらけになった「そらいろのたね」を読みながら、もっときれいに保管すればよかったなと思いました。

goya626さんのコメント
2022/06/15

Macomi55さん
「友達作りの下手なやつだなあ」Macomi55さん、優しいですね。

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