いったいどういう話なのか、どういう問題と解決があるのか、いつ盛り上がってくるのか、とどきどきしていたら、主人公のゆるやかな成長物語(考え方が変わっていく様子やものごとの見方をていねいに追っていく)として、おだやかに最後のページにたどり着いていました。
たしかに現実ってそんな感じだよな、それにしてもこの子は頭いいな、と思いました。妖怪の存在というのが突飛な分、それ以外の描写はかなり現実的で、「たしかにこの年のこういう性格でこういう境遇の子がこういう場面に遇ったらこう思う(行動する)だろうなあ」というリアルさがありました。性格無比な児童文学、という感じでした。さすがのお仕事です。
会話や文体はライトすぎるかなと思う部分もありましたが、今風の児童文学とはこういうものなのかもしれません。
いつ盛り上がるんだろうとちょっと不安になりながら読み進め、あっこれ特に盛り上がりねーわ、もう終わるわ、と読み終わってからタイトルを見たら「幽雅な日常」とあったので、ああ‥児童文学にも日常ものというジャンルがあるのか‥と納得しました。
装丁がかわいいので集めたくなります。(2巻目以降、日常ものではなくなる期待もこめて)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年10月27日
- 読了日 : 2012年10月14日
- 本棚登録日 : 2012年10月14日
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