同期

著者 :
  • 講談社 (2009年7月17日発売)
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感想 : 131
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『欠落』を読んだうえで遡って読んでみた。
記憶は薄かったが、やはり一度読んだことがあった。
撃たれそうになった宇田川が蘇我に助けられたところを読んで思い出した。
思い出したのはそこだけだったが。

既読だったからという部分以外にも、他の作品と印象が被るところが多かった。
刑事部と組対部のどちらが主導権を握るか、という導入部は
つい先日見た映画版『ストロベリーナイト』(つまり『インビジブル・レイン』だな)を思い出す。
八十島秋水のキャラクターは、みなとみらい署シリーズに出てくる
小さな組の親分さん(名前がどうしても出てこない/汗)を彷彿とさせる。
まぁこれらはあくまでも個人的な感じ方なんだけど。

宇田川と蘇我、植松さんと土岐さん、という二組の同期の絆の話。
『欠落』ではそのベースとなる二組に加えて大石、佐倉さん、新谷が増えて
強力なファミリーが形成されたということを改めて確認できた気がする。

当初、刑事部vs組対部と思われていた図式は
いつの間にか刑事部vs公安部という図式に摩り替わる。
そしてさらに宇田川が公安の上層部と逢った後には
そういった対立構造など関係なく一枚岩として纏まっていく。
現実にここまでのまとまりを見せる職場はそうそうないだろうが
一点の曇りもなく一致団結してスパッと解決、という結末は爽快だった。

蘇我が人と逢うのに使っているのがスパニッシュレストランというのが
ちょっと変わってて面白かった。
…料理も美味しいんだろうな。実在するなら行ってみたいぞ(そっちか/爆)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ/サスペンス/ホラー
感想投稿日 : 2013年3月29日
読了日 : 2013年3月28日
本棚登録日 : 2013年3月28日

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