レトリック感覚 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (1992年6月10日発売)
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本棚登録 : 106
感想 : 5
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この本は「レトリックについて」の本ではなく、「レトリック理論」についての本である。
お手軽にレトリックを使えるようになりたいという方には
『日本語のレトリック』瀬戸賢一
がオススメ。
本書は腰を据えてレトリックを学びたい人向けである。

ただ、文中に「いい気になって、演説が長すぎたようだ」や「どうもおおげさな口調になってしまった」とあるように、ペダンティックで冗長なのが残念。

人類がレトリックをどう考えてきたか、そして、これからどうつき合っていくべきか。
本書ではレトリックを従来の説得技術として、芸術的表現としてだけではなく、わたしたちの認識をできるかぎりありのままに表現するための方法としている。

自分が体験した、感じた、考えた、自分固有のものごと。
辞書にのっている言葉ではどうしても語りきれない。
そのために懸命に言葉を選びつなぎ合わせていく。
それがレトリックだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 創作論
感想投稿日 : 2021年9月29日
読了日 : 2021年9月29日
本棚登録日 : 2021年9月29日

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