レビューを見すぎると、「こういう本か…」と半分読んだ気になるのか、気になりながらなかなか手に取ることがなく、刊行からだいぶ経ってやっと読むことができた。前半部でちょくちょく旧民主党への批判的なくだりがあるのと、学生運動のエピソードなどから察して、政治的スタンスが微妙かなぁと思ったけど、結局グイグイ引き込まれて、遅読の私にしてはずいぶん早く読み切った。維新の裏面、残酷な事実に息が詰まる思いがした。知らないことがこんなにもあるのかと。二本松少年隊は知らなかったし、会津戦争もこれほどまで悲惨なものだったとは。斗南(地名すら知らなかった)の苦難も同様です。「明治維新」はリアルタイムではなく当時は「御一新」、「藩」という言葉も「廃藩置県」の前後数年使われたというのも意外だった。奇兵隊がこんなに野蛮だったというのも…。無論、これを現代の山口県人と当てはめて考えてはいけない。ただ、著者も書いているように、会津の悲劇と福島第一原発事故をどうしても重ねてしまう。中央政府のしわ寄せはなぜ東北、福島にこういくのか…。読み終えて、著者に政治的スタンスを云々するのは適当でないと思った。左派右派ともに、“明治維新“を一度きちんと総括すべきというのは異論の余地がない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月2日
- 読了日 : 2022年1月2日
- 本棚登録日 : 2022年1月2日
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