#塚森裕太がログアウトしたら

著者 :
  • 幻冬舎 (2020年10月22日発売)
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本棚登録 : 225
感想 : 27
3

バスケ部のエースで成績優秀。
誰からも愛される少年が
自身の性的嗜好をカミングアウトする話が
本人も含め周りの様々な人の視点から描かれる。

生徒から借りなければ
(面白かったんで読んでください!って子がたまにいる。)
絶対出会わなかった本。

複数人からの視点から
同じシーンが描かれる。
この時彼女はこう思ってたのかとか
だから彼はこんな行動に出たのかとか
徐々に広がってくるカラクリ。
何度も同じシーンが出てくるのは
少し飽きちゃったけど
いろんな人の気持ちが丁寧に描かれていた。

主人公がアイデンティティの葛藤をするシーンが良かった。
他者評価と自己評価の乖離。
言葉に出来ない感情。
自分も若い時期にはあったのかもしれない。
本当の自分と周りに見せている自分。
これが一緒じゃない時期(人)は
なかなか生きづらい。

塚森裕太の性的嗜好のカミングアウトを通して
本人や彼と近しい人たちの
自己が揺らいたり、確立したりしていく。
高校生の話なだけに
少し若々しい感じもあったけど
感想を書いていたら
なかなか深い本だったなと
思い直してきた笑

初めて出会う作家さんだったけど
今後も注目してみたい作家さんでした。

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カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月7日
本棚登録日 : 2022年10月25日

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