人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

著者 :
  • 河出書房新社 (2022年4月26日発売)
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本棚登録 : 601
感想 : 21

買う前と、読む前と、読み始めと、読み途中と、読み終えた時と、ちょっと経ってからで感想がガラリと変わった本。

当初は珍しいもの見たさで、どんなんかな〜と大して深く考えず衝動買い。ところがどっこい尻上がり的に面白くなっていきました。
が、『どうなるのか?』に対するアンサーが見えかかってきた所で…うーむ、一朝一夕では手に負えないかもしれない。

1〜300の辺りはこちらも身構えているのでそうそう簡単にはいかせません。
300〜1000で徐々におやおや?これは?ときな臭くなってきて、熱に浮かされたように記憶を「網羅的に把握」(p61)し始めた所から引き込まれ。
1000日目にして「自己の濃度が下が」(p93)るという現象にこちらは興味津々。「脈をはかることが気持ちが悪」い・「心拍を意識することも不気味」(ともにp92)という感覚はなんかわかる。
1000〜1500まで至ると「人間の世界」(p132)を「人間ドラマの世界」(p133)と認識するという考察に膝を打つ。同時に、私は「人間ドラマの世界」をそこそこ楽しめている気がするな、という感じも抱く。
1500〜2000まで行くとある種’人間をやめている’のではないか、’人間を一歩引いた所から見ている’という視座があるという事は頭で理解しつつも「おまえが人生だと思っているものは、おまえの頭が作り出した取りとめのないドラマ」(p174)という到達点は、ひとつの可能性かなとは思いつつも身も蓋もないな、という気がしなくも無い。

読み終えて思うのは、上田啓太先生が体験したのはcase.1に過ぎず、2000連休も『与えられる』というよりは’取得した’という方が相応しいと思うし、生活基盤を支えてくれる「杉松」という存在がいたからこそ成し得た、あくまでひとつの事例だということ。
タイトルの印象と、実際読んでみた印象では’2000日間自己分析し続けた結果’という方がしっくり来るような。うまく言葉に出来ないが、『2000連休を与えられる』とは似て非なる気がする。


とりあえず、10連休からしてみたいな。



1刷
2022.5.17

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月17日
読了日 : 2022年5月11日
本棚登録日 : 2022年5月16日

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