幸福という、ともすれば主観的な概念を研究対象とするデンマークの研究所で働く著者による本。
1〜4章までは数値データが多くやや退屈な印象だが、何が幸福に影響を及ぼすのか?を述べた5,6章は、日常を顧みてなるほどたしかにと納得できる研究結果(ご近所さん効果:隣近所の人にあわせて無理してでも大きな家を買う、誇示的消費:プリウスは環境意識の高いことを示せるよう特徴的なデザイン、選択肢という制約:ジャムは24種類より6種類だけのほうが10倍売れる等)が書かれており、考えさせられた。
著者によると、立場や地位を求め闘うことは私たちの遺伝子に刻み込まれた本能ゆえ、自分たちがどのヒエラルキーに属するか信号を送ろうとし、実際よりも高い社会的地位にあるよう見せかけようとするそう。いま活況なSNSの仕組みはまさにそのとおり。Facebookを使わないほうが幸福度があがるという研究成果もあり、幸福になるにはしばらくSNS断ちするのが手っ取り早い方法かもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2021book
- 感想投稿日 : 2021年1月15日
- 読了日 : 2021年1月14日
- 本棚登録日 : 2020年12月27日
みんなの感想をみる