金正日の料理人 (扶桑社文庫)

著者 :
  • 扶桑社 (2008年11月30日発売)
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感想 : 4
5

日本人が北朝鮮中枢の生活について、ここまで詳しく記した本は他にないのではないだろうか。

著者は金正日をはじめとした現在の最高指導者である正恩を含む北のロイヤルファミリーの信頼を受けて一目を置かれ、北が指定する敵国民・日本人でありながら労働党幹部・特権階級という身分で日々の食事を用意し、彼の味覚や嗜好を知ることはもちろん、時には勝負事で勝ってもお咎めもない人物。ロイヤルファミリーに信頼され、時には心のうちまで明かされる人物。

藤本氏だからこそ知り得る情報はもちろん、ベールに包まれている北のロイヤルファミリーの生活について詳しく書かれている。予想していた以上に一般国民とは乖離した異世界のような生活が写真付きで詳しく記されている。

著者の藤本氏については当該暴露本の影響なのか…
2017年ごろに北に戻りラーメン店を開店後、
しばらくした2019年頃から行方不明になっている。

そして何よりこの本が世に出た時期はまだ現最高指導者の正恩、そして妹の与正の存在は殆ど知られていなかった。しかし著者は見事、後継者になるだろうと正恩を本書で挙げていた。実際に正恩が後継者となり、与正が支えている現在。その予想箇所は著者が北の中枢で生活した揺るぎない証拠にもなっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Korea関係
感想投稿日 : 2024年3月30日
読了日 : 2024年3月30日
本棚登録日 : 2024年3月30日

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