「アフリカの巨人」ナイジェリアを紹介する写真絵本。
ナイジェリアという国は新しくていまだ安定していないけれど、土地には古くから人が住んでいる。
2000年前のテラコッタがめちゃくちゃ格好よくてびっくりした。
土偶っていうと埴輪をとりあえず思い出すんだけど、あのぬぼーっとした感じではない。兵馬俑のリアリティとも違う。
アートな感じにデフォルメされつつ、アジア人でもヨーロッパ人でもないアフリカ人が模られている。きっとそこにいた人の顔。
元来が多神教ということもあって、宗教観は日本と通じるものがある。
キリスト教やイスラム教と平行して元もとの信心も持ち続けている。
今はほとんど消えてしまったけれどかつては聖なる森があったというのは杜のようで、祭りの扮装のシルエットはなまはげっぽく仮面は能や京劇っぽい。南部イビビオ人が先祖を祀る彫像は東南アジアにありそうな雰囲気。
祖先を祀るのはキリスト教徒にとっての聖人崇拝に似ているかもというキリスト教圏むけの記述で、聖人崇拝をちょっと理解できそうな気がしてきた。
ナイジェリアにも元々奴隷制はあったらしい。といってもローマの形や日本の年季奉公に似ている。
こういうのと、帝国の奴隷売買を同じ言葉で表現しちゃいけないと思う。
不勉強だなあ。「豊かな自然」と「激動の近代」しか頭になかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
地理・歴史(大枠・流れ)
- 感想投稿日 : 2011年6月26日
- 読了日 : 2011年6月26日
- 本棚登録日 : 2011年6月26日
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