沢木道楽堂怪奇録: はじまりのひとり (メディアワークス文庫 て 1-2)
- アスキー・メディアワークス (2011年11月25日発売)
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感想 : 30件
怪奇の世界へ
背表紙には怪奇でのんきな、と書いてあったが、いやいや、幽霊の話は意外と恐い。
幽霊そのものが怖い、というよりも、死因があまり気持ちのいいものではない。
ホラー好きのためへサービスか。
人が煮込まれた状態、妊婦の割腹自殺、拳銃で至近距離から撃たれた少女......
ひええ、と心の中で叫びながら読んでいた。
物語は四編。
公衆電話を使ったことで何かにつきまとわれる話(『囁き』)、割腹自殺の妊婦と鳥のような生き物の話(『はじまりのひとり』)、孤独なオタクが自殺し、その霊と霊の思念というものを語る話(『霊に魂の不在を説く』)、音楽によって培われた友情の話(『ある天使たちの思い出に』)。
『はじまりのひとり』は続編を思わせる。
謎がそのまま残されていることで消化不良ではあるが、このあとこの物語がどこへ向かうのか楽しみだ。
会話の多いライトノベルの分類である。
会話で使われている言葉にやや気恥ずかしさを感じながらも、怪奇の世界を楽しむ。
現実の言葉遣いをそのまま書くと、どうしてこんなに恥ずかしくなってしまうのかよくわからないが......。
沢木が抱える苦悩と、元気印(だが、幽霊が見えるようになってしまった)雪穂の掛け合いがどう続いていくのか、それも含めて続編を読みたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月23日
- 読了日 : 2013年12月21日
- 本棚登録日 : 2013年12月23日
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