未曾有の災害である東日本大震災において、それぞれの立場で責任を全うした人々を描いているが、同じ人間なので各自のそれぞれの事情において葛藤があっただろうが、残念ながら、そこまでも掘り下げは、作者の意図的かもしれないが敢えて描かれていなく、結果として自衛隊礼賛的な部分が表層的に出すぎており、若い読者に誤解を与えかねないのが残念である。確かに献身的に活躍された自衛隊や消防、警察、作業員の個々の皆さんには感謝をしてしすぎることはないが、翻って、その指示をした政府や東電がじゅっぱひとからげ的に全ての人々が悪であるかのように描くのはやり過ぎだろう。非常事態に面し、それぞれに個々の責任の範囲において使命を全うすることしかできないはずなのだ。結果論的に全てを断じてしまうのは、神でもない人間には出来ようもない。
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- 感想投稿日 : 2011年11月5日
- 読了日 : 2011年11月5日
- 本棚登録日 : 2011年9月5日
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