本作は前作から結末に向けてのインターミッションという作品で、時間的には全く進んでいない。圧倒的な数と力を背景とした創造主側の陣容に対し、量子理論的な力を誇りつつも創造主に直接的に手を下せない被創造者と刑事達という、余りに絶望的な力の差を解消するために、創造者側の帝国の綻びが生じているということに、その殆んどを費やしただけのストーリーで、前作ほどの絶頂期のクーンツらしさは影を潜めているので、少々、残念。クーンツは圧倒的な悪の存在と、それに対峙する力なき主人公たちという構図がらしいので、第1作は、この構図にドはまりだが、本作の夫婦の殺し屋では少々、力不足、前作の刑事の方が良かった。ただし、刑事から派生した小人の存在と、キメラ化した警備員、ゴミ処理場における新人類のその後など、次回作に繋がる伏線はたっぷりなので、結末が楽しみではある。
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- 感想投稿日 : 2011年10月24日
- 読了日 : 2011年10月24日
- 本棚登録日 : 2011年6月18日
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