生きるための哲学

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  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2012年5月14日発売)
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感想 : 8
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世には実に様々な哲学者がおり、多種多様な哲学がある。
しかし私たちも、それぞれ一人の人でありながら、相手や場面によって、全く異なる考えや態度を示す。

であれば、あらゆる哲学者たちの言葉を知っておくほど、臨機応変にしかし心落着いて過ごすことができるのではないだろうか。

しかしこの本は、単なる名哲学者たちの寄せ集めではない。
現代の素晴らしい哲学者、『超訳ニーチェの言葉』を生み出した白取春彦氏の、心慰める哲学である。

法的な都合で医学上の死を宣告されても、まだ身体の一部は機能しているのあれば、それは絶対的な死ではない。

ろくに考えもしないで即相手を切り捨てるのではなく、共苦の精神を持ち、辛抱強く相手を待ちづづける態度こそ愛であること。

他者に対して、言外の意をを汲み取ろうとすること、いたわりを示すこと。

物語のダイジェストを読むだけでは、本当に作者が伝えたいと思うことを読み取った事にはならず、作品そのものを読むことによってのみ、意味の把握や読み取りが可能になる。

自分の考えや欲求を客観的に把握する。

これらの教えを受けながら、本を閉じたら終わりにしたくない。
願わくば、意識せずして自らの言動となるようにと願う。なかなか難しいことだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Pensée, Philosophie
感想投稿日 : 2012年9月27日
読了日 : 2012年9月27日
本棚登録日 : 2012年9月27日

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