世界を変えたブランド広告

著者 :
  • 日経BP 日本経済新聞出版 (2022年12月14日発売)
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世界を変えたブランド広告 杉山恒太郎著 「公告」が社会を動かす
2023/1/28付日本経済新聞 朝刊
「ブランドとは世の中への約束と自己表明」であると著者はいう。つまり、ブランド広告とは、それらの表現だ。ではナイキやアップルは、自らの存在価値をどう定義し、どんな思想や価値を体現するのか。本書は、国内外の優れたブランドによる名広告を紹介する。


ナイキは2018年のキャンペーン広告に、アメリカンフットボールのコリン・キャパニックを抜てきした。試合前の国歌斉唱時に片膝をつくことで人種差別への抗議を示した選手の起用は、当初、批判を浴び、株価も下落した。しかし、このキャンペーンはすぐに圧倒的な支持を得る。権威におもねらず行動する勇気をたたえるナイキの姿勢が、世論を動かしたのだ。

「Think small.」のたった一言で、米国人の価値観を転換させたフォルクスワーゲン。警察の似顔絵捜査官によるスケッチという意表を突く方法で、女性美についての固定観念を揺さぶったユニリーバ。広告は、商品やサービスのPRにとどまらない。社会にインパクトを与え、世界を変えうる「公告」なのだ。広告界で長くキャリアを重ねた著者のそんな信念が、全編を貫いている。

心を打つストーリーや斬新なビジュアル。映像で制作された美しい広告は、短編映画のようにも楽しめる。(日本経済新聞出版・1980円)

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読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 読書・勉強
感想投稿日 : 2023年1月29日
本棚登録日 : 2023年1月29日

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