太郎さんとカラス

著者 :
  • ケイツー (2004年2月1日発売)
3.94
  • (8)
  • (1)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 37
感想 : 9
5

太郎さんはカラスを飼っていた。…というより一緒にいた。

長野県のスポーツランドにモニュメントを創るために何度も通っていたとき、巣から落ちた子ガラスを太郎さんがもらってきました。赤ちゃんガラスのくせに、獰猛で真っ赤な口をあけて威嚇するように鳴く。その様子がいかにも憎たらしくて気に入ってしまったのです。

カラスや動物に関する太郎さんの短文を中心に、カラスと一緒に写った太郎さんの写真がちりばめられています。その太郎さんの表情がとてもいいのです。一般によく知られている、「芸術は爆発だ!」の目を見開いた、挑むような、今にも掴みかからんとするような表情ではありません。無邪気でやさしく、幼なじみとでも会話しているような、ほのぼのとした雰囲気が伝わってきます。敏子さんはそんな太郎さんを皆さんに知ってもらいたいと、この本を作ったと書かれていました。

太郎さんは本当に魅力的な人です。改めてホレ直しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2019年2月11日
読了日 : 2011年3月10日
本棚登録日 : 2019年2月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする