太郎さんはカラスを飼っていた。…というより一緒にいた。
長野県のスポーツランドにモニュメントを創るために何度も通っていたとき、巣から落ちた子ガラスを太郎さんがもらってきました。赤ちゃんガラスのくせに、獰猛で真っ赤な口をあけて威嚇するように鳴く。その様子がいかにも憎たらしくて気に入ってしまったのです。
カラスや動物に関する太郎さんの短文を中心に、カラスと一緒に写った太郎さんの写真がちりばめられています。その太郎さんの表情がとてもいいのです。一般によく知られている、「芸術は爆発だ!」の目を見開いた、挑むような、今にも掴みかからんとするような表情ではありません。無邪気でやさしく、幼なじみとでも会話しているような、ほのぼのとした雰囲気が伝わってきます。敏子さんはそんな太郎さんを皆さんに知ってもらいたいと、この本を作ったと書かれていました。
太郎さんは本当に魅力的な人です。改めてホレ直しました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2019年2月11日
- 読了日 : 2011年3月10日
- 本棚登録日 : 2019年2月11日
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