中身は全部白黒なので、一見難しそうな印象もありますが、文章がわかりやすいのでとても読みやすい本でした。
著者は認知症専門外来を開かれている方で、認知症そのものについての説明も簡単にされていますが、最も重点を置かれているのが、認知症の人に接する家族や介護施設の方がどう対応すればよいかという部分です。
この本に書かれている内容の知識があれば、もし急に家族の誰かが認知症になってしまい、記憶障害や人物誤認などをしてしまったとしても、慌てずに応対できそうに思えます。
いいことだな、と思ったのは、「グループホームの入居者に若い時の写真をもってきてもらう」というものです。それを部屋に飾っておくことで、介護施設のスタッフがその認知症を患った高齢者のことを、「この人も最初から認知症だったのではなく、もともとは普通の生活をしていた人なのだ」と感じて接するようになるそうです。
まだまだ認知症の方に対してどう身の回りのことを手伝ってあげればよいかの情報が少ない中、既に認知症の方のお世話に携わっている人、そうでない人、どちらにも役立つ内容ではないかと感じました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
認知症
- 感想投稿日 : 2012年3月29日
- 読了日 : 2012年3月28日
- 本棚登録日 : 2011年2月18日
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