桝野浩一さんのデビュー25周年の全短歌集。
帯に小沢健二さんが
「世の常として、他人に言えない孤独を歌にすると、他人に言えない孤独を抱えた、多くの人に愛される、のです。
でも、歌は。
あぁ、歌は。
枡野さんのこの御本、とてもうれしい」と書かれています。
特別栞 俵万智さんと枡野浩一さんの往復書簡付き。
以下、共感した歌にひとこと感想をつけます。
○いろいろと苦しいこともあるけれどむなしいこともいろいろある
苦しいのは辛いけど、むなしいのも辛いですね。
○毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである
毎日のようにいいね!は来るけれどあなた以外の人からである。
○「ライターになる方法をおしえて」と訊くような子はなれないでしょう
歌壇に載る方法を教えてとは私はまだ誰にも訊いてはいませんが。
○差別とは言わないまでもドラマではホステスの名は決まってアケミ
私の親友のAちゃんの名はアケミですが愚痴を聞いたことはないです。
○努力とは希望を持っている人にだけゆるされたまぶしい助走
まだ希望を全部捨てたわけではないです。
○ほめているあなたのほうがほめられている私よりえらいのかしら
ほめてくれる人は人格者だと思います。
○ツイッター「フォローさせる」は選べない 愛を強要できないなんて
「フォローさせる」なんてあるわけないですね。
○誕生日おめでとう きょうも好きでした あしたもきっと好きだと思う
素敵な一年になりますようにとか言いがちですが誕生日に好きでしたという人はいないですね。
○私には才能がある気がします それは勇気のようなものです
いいですね。
○しめきりに追われるような毎日はいつか僕が夢みた暮らし
しめきりなんてないので自分で目標を立てています。
○意地悪な人ほど強く生きぬいて優しい人が死んで悲しい
確かにあり得る事態です。
○会いたくて会えない人はあなたには会いたいなんて思ってません
とても悲しいけどそうなんでしょうね。
- 感想投稿日 : 2023年4月30日
- 読了日 : 2023年4月30日
- 本棚登録日 : 2023年3月4日
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