反省させると犯罪者になります (新潮新書 520)

著者 :
  • 新潮社 (2013年5月17日発売)
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本棚登録 : 1986
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最近自分でたどり着いた結論であった、ネガティブ感情をとことん吐き出すことの重要性について、エビデンスや犯罪者の更生に関わってこられた著者が正しいと証明しれくれたようでとても嬉しい出会いだった。
最近、職場でパワハラとまでは行かないまでも弱いものいじめをする人がいて、その人への対応について頭を悩ませていた。正直周りも傍観者となって誰も助けようとしない状況がいじめのような状態なのだと感じていた。
そんな状況でこの本を読んで、改めて冷静になることができた。いじめる側への怒りが沸騰していて、私自身その人のやった行為の重みを思い知らせて反省させたい衝動に駆られていたが、その人自身の心の本音を聞いた方がより解決に近づくことに気付かされた。

落ち着いたらわかることなのだけれど、ボルテージが上がっている状態であればなかなかそのことに気づかないので、とてもありがたかった。

また、この本で書かれていた、「ありのまま」の自分を曝け出して、甘えられる人を作ることの大切さは、子育てや人材教育全般につながる。〇〇しなければいけないとか、根性で我慢しなければいけないとかそういう考えではなく、もっと自分の弱みを出してもいい。その人の弱みこそがむしろ強みなのだ。

他罰的な人が多い現代、この本を世の中の多くの人に読んでもらいたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2021年9月26日
読了日 : 2021年9月26日
本棚登録日 : 2021年9月26日

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