心霊の文化史---スピリチュアルな英国近代 (河出ブックス)

著者 :
  • 河出書房新社 (2010年1月9日発売)
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1851年ロンドン万博、1859年『種の起源』というなかで、宗教というバックボーンが揺るがされ、なんとか科学と魂を融合させたいという必死の思いの中から生まれたという19世紀後半の心霊ブーム。そのブームの内容がもう少しよくわかるとよかったんだけど。霊媒がもてはやされたり、降霊会がはやったりということだけど、それは知識人主体だったのか一般庶民のあいだにもはやっていたのか。

心霊現象研究協会の初代会長とその教え子で初期の協会の中心的存在だったシジウィックとマイヤーズがどちらも牧師の子だったというのは象徴的でおもしろい。きっと当時の科学文明と進化論の衝撃は、今では想像もつかないくらい大きかったんだろうな。

ユング心理学とのつながりも興味深くて、ここらへんはユング心理学側の入門書にはあまりちゃんと書かれていないことなので、好奇心をそそられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2017年4月19日
読了日 : 2017年4月19日
本棚登録日 : 2017年4月19日

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