幼女戦記 (1) Deus lo vult

  • KADOKAWA/エンターブレイン (2013年10月31日発売)
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本棚登録 : 1083
感想 : 57
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 先日、映画館で逃げ出したくなる経験をした、こちらの作品。やはり、題名が悪い。

 題名からは、なんだかヤバそうな小説に思えますが、内容としては最近流行の「異世界転生モノ」です。
 ただ、流行の転生先が「剣と魔法のファンタジー世界」なのに対して、こちらは魔法はあるものの、近大世界大戦前夜の世界。モデルとなっているのはドイツ帝国。ここがある意味斬新。

 主人公は、あらゆる価値観が斜に構えた感じに歪んだベテランサラリーマン。いわゆる秀才エリートで、人事課長にまではなったけれど、自分よりも凄い天才が多数存在していることを自覚している秀才。その彼がリストラした問題社員に殺されて、転生するところから、お話はスタート。
 転生の際に性格破綻した神「存在X」が出てきたり、結構強引な理由で幼女に転生したり、ちょっと設定が雑なところはありますが、まあ、そこはいいとして。

 彼が決定的に歪んでいるのは、物事の判断基準が「合理的か」という一点であること。たとえ人命であっても、この合理性の判断の対象であり、ある意味わかりやすく狂ってる人。理解はできても共感はし辛いのが、また面白いのかな。

 1巻は、転生後、協商連合との開戦から、戦果を挙げて破竹の勢いで昇進し、軍大学卒業、独立魔道大隊創設まで。
 大人の知能と軍事オタクの知識を持ったまま転生した、完全にチートな幼女の物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2019年4月16日
読了日 : 2019年4月11日
本棚登録日 : 2019年4月16日

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