松竹梅 (真夜中BOOKS)

著者 :
  • リトル・モア (2012年4月27日発売)
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本棚登録 : 91
感想 : 13
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主人公は小学5年生。松竹梅のでこぼこ三人組。少々外れてはいるがどうにかこうにか常識の範囲内。小さな起伏を繰り返しながら時間が経過していく。微笑ましくながめながらも幾分食傷気味になっていた終盤、「これから先、もっと悔しいこともあるし、もっと嬉しいこともあるんだから」の一文が飛び込んでくる。不覚にも涙ぐんでしまった。いつの間にかこの三人組に心をもっていかれてしまっていたのだろう。無駄口たたくことなく一生懸命洗い物をする姿、拳闘、歌に打ち込む姿も胸打つものがあった。「このまま続けていたら抜けられなくなるだろうし、いい加減に見切りをつけないと、何かがズルズルとおかしくなっていくと感じた。」人間には必ずより良くあろうとするリセットボタンがついているのだと。何だか凄く元気になれた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年1月5日
読了日 : 2014年1月5日
本棚登録日 : 2014年1月5日

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