前巻で全てを失った四郎。
その喪失の後なので、今巻は相当鬱々したものになるんじゃないかと思っていた。
でも予想していたよりは酷くなかったかな。
いやもちろん、未来との関係も三好さんとの関係も、もう元には戻らないわけで、そういう辛さはあるのだけど。
けれど、それでも人生は、日常は続いていくわけで、その道には、また別の人たちとの関係があるのだ。
そういう意味で、親父さんや三並さん西園さん、そしてボンちゃんとの交流は彼を日常に返し、その心を少しは紛らわせてくれただろう。
そうして、文化祭での女装で未来の気持ちを実感することやヒロミさんとの一線を越えて、心境は変化していくのだ。
それはそれで、生きているということなんだろう。
ちょっと寂しい気はするけど。
ただ、元よりこの物語がそれほどハッピィに進むはずがなかったことを考えると、これはまだマシな選択肢なのだと思う。
この巻が最後になるかもという後書きだったけど、なんとか6巻目も出ているので、最後までちゃんと読めるのは、嬉しい限り。
未来が去った広島で、このあと四郎はどうやって生きていくのか?
どんな形で、どんな姿の未来と、再会するのか?
その時、物語はどんな最後を迎えるのか?
期待したい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ライトノベル
- 感想投稿日 : 2017年6月19日
- 読了日 : 2017年6月20日
- 本棚登録日 : 2017年6月17日
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