うん、よかった。
なんとも清々しい青春物語。
読後感サイコー。
順不同で作者の本を読んでるけど、これはデビュー2作目。
これまでで一番好きかも。
本作も作者得意の青春物語。
音楽バカでとことん諦めの悪いヒロインのアキが、先生に頼まれて吹き溜まりのヤンキーたちとブラスバンド部を作る話。
登場人物の誰もが挫折や屈託を抱えていて、いわばこれは彼らの再生の物語だ。
アキのキャラクターが凄くいい。
いろんな不安や迷いはありながらも好きな音楽のためなら決して逃げずに頑張れてしまう。
でもそれは前向きと言うよりもむしろ、諦めたくない、もう後悔したくないという後ろ向きの感情が原動力。
そのことが吹きだまりの彼らを動かしていく。
そんな仲間が増えていく展開が、とてもいい。
そうして上手くいっていたと思っていたら、お約束の大きな壁が待ち構えていて、その展開は分かっていても惹きつけられる。
ハイライトはラストの文化祭での演奏会の場面。
なにもかもがダメになりそうなその瞬間に、高らかに響き渡るトランペットの音。
次々と戻ってくる仲間たち。
いやあ、こういう場面に弱いんだよ。
うん、胸が熱くなった。
やっぱり青春物語はこうじゃなくっちゃね。
ちなみに、この物語には作者の物語としては珍しく恋愛要素がちゃんとあって、それも良かった。
女の子が主人公だったせいかな?
好きな男の子に両頬を掌で挟まれて、活を入れられる場面なんか胸キュンものだよ!
さて次は作者のどの物語を読もうかな。
- 感想投稿日 : 2016年10月18日
- 読了日 : 2016年10月18日
- 本棚登録日 : 2016年10月12日
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