いやこれは、思ってたのとはちょっと違ったけど、なかなか面白かった。
冒頭、強盗に殺された編集者が生き返るところでビックリさせられ、ああ、こんなマンガのような展開が次から次へと起こるコメディーなんだろうと思った。
ところが、思ったほどマンガのような展開は多くなかった。
むしろこれは主人公伊織のマンガ創作における成長と、マンガの神様に憑かれていると考え、頑なになった少女の解放の物語だった。
正直、実際に読むことの出来ないマンガの評価をあれこれされてもちょっとリアリティが湧きにくかったのだけど(笑)
主人公伊織が辿り着いた結論は、むしろ平凡そのもの。
でも、それはやっぱり真実なんだよなあ。
個人的には実によく分かる。
でもストーリーの主眼がそこに置かれていたのもあって、物語的にはちょっと退屈になってしまったかな。
それこそもっとマンガのような面白い展開があってもよかったと思う。
ラストの伊織が楪葉を説得する場面の熱さとどんでん返しの切り札がいい。
まさに王道。
それに、楪葉が本当にマンガの神様に憑かれているかどうかはうまくぼかされていて、その分、今後の展開に期待が持てるのもいい。
マンガのような楽しい展開を期待したい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ライトノベル
- 感想投稿日 : 2016年4月3日
- 読了日 : 2016年4月3日
- 本棚登録日 : 2016年4月1日
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