作者曰く「タイトルの月が入っているシリーズ」の自分的2冊目。
いわゆる難病話。
前回読んだ月シリーズも難病話だったけど、個人的には少し苦手。
人が亡くなって終わる話はやっぱりきつい。
題材的には、記憶がどんどん思い出せなくなっていくという、これまでも割とよく扱われるお話。
なので何となく展開は読めたのだけど、一つ作者に見事に騙された。
冒頭、少女の自殺のシーンから始まって本編のヒロインがその彼女だと思っていた。
でも途中で別人だとわかって、じゃあ、どうなるんだろうと。
それでも暗い予感がひしひしと感じられて次を読み進むのに胸がドキドキと苦しくなった。
そしてラストで明かされる真実。
あー、そうだったのかと思った。
でも難病話にしては大きな激情も熱い展開もなく全体的に割と淡々と語られる。
それもあって本文中にもあるような「透明」な印象を持った。
ただ、それがちょっと物足りない。
唯一、屋上で主人公がヒロインに生きろという場面
「君のテロメアが尽きてなくなるその日まで僕の声を聴き続けろ」はいい告白だと思った。
読書状況:読み終わった
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エンタメ
- 感想投稿日 : 2018年12月6日
- 読了日 : 2018年12月6日
- 本棚登録日 : 2018年12月6日
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