『償い』が面白くて、こちらも繊細な話かと思っていたら・・。朝倉木綿子が最初からエキセントリックでついていけなかった。というより、そもそも登場人物全員に全く人間味を感じなかった。みんな何かしら問題を抱えているらしく、どこか精神が病んでいる。しかしその何かしらの問題は一切深く突っ込まれないまま詰め込まれているだけで、いわゆる不幸のバーゲンセールみたいだった。恵哉の孤独はわかるが、それで一家を惨殺した動機には弱いし、結局どういう人間だったのかということもわからないまま終わった。死んだ尾形の真相も解決されないままに終わったし、根岸のほうも、最後にあんなセリフを言わせておいて、結局背景は謎のまま。
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- 感想投稿日 : 2008年8月1日
- 本棚登録日 : 2008年8月1日
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