スマホが学力を破壊する (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2018年3月16日発売)
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本棚登録 : 551
感想 : 63
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衝撃だったのは、スマホを使い始めた途端に成績がガクッと落ちていくこと、逆に使うのをやめると成績が上がっていること。そして、ITを使うと前頭前野(情報処理や思考の中枢)が働かなくなるという研究結果である。文章を書くときに、手書きで書くのと、PCやスマホで文字を打つのとでは、PCやスマホの方が楽できるから、脳は働かないというのはイメージできていたけど、対話する時に、直接顔を合わせて話すのと、テレビ電話で顔を見て話すのとでも、テレビ電話の方が脳が働かないのは意外で、驚いた。
とはいえ、育児をする時にスマホが便利なのは事実。だって、家にいながら、病院の予約ができて、待合室で長時間待たなくて済む。出かける前に電車の時間を調べ、初めての場所は授乳室やエレベーターの有無を事前に確認できる。何より辛い時にはTwitterで同志を見つけることができ、産後鬱にならずに済んだ。
でも、この本を読んだ後に、自分の子どもにスマホを持たせるかどうかを考えると、悩んでしまう。共働き世帯の子どもが、親と連絡をする手段として、携帯は必須だと思うし、でも学力が低下するエビデンスは出ているし…。
スマホを与えるにしても、我慢させるにしても、親自身がスマホとの上手な付き合い方をお手本として見せることが、今できる最善なのかもと思う。
本著に収録されている依存度診断の結果は、反省するに十分な数値だったので…。
スマホの恐ろしさをまざまざと見せつけられた本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2023年3月25日
読了日 : 2023年3月25日
本棚登録日 : 2023年3月25日

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