何度か読み直しているのだが、とても素晴らしい名著。
以前読んだときはちょうど詩に興味を持ち始めた頃だったのだが、ある程度読んだ今読んでもやはりこの本は良いなあ、と思う。
詩に触れるときにその余白の広さや飛躍から、わけのわからないところに連れて行かれたような気持ちになって戸惑うことがある。その戸惑いを楽しめるか、わからないものとして拒絶するのか。その戸惑いや疑問もわからないものとして受け入れることが出来れば、詩をもっと楽しむことが出来る、自分が何に疑問を持つのか、それすらも発見になるというようなことが本著に書かれている。
自分は映画が好きで人の数倍も映画を観ているのだが、同じことを映画を観ていても思う。意味のわからなさやどこに連れて行かれるのかという飛躍、解釈することの難しさや余白の広さはそれ自体が映画を豊かにしていると思うのだが、多くの人はそのわからなさをわからないものとして拒絶してしまう。
自分が詩や俳句、短歌に惹かれるのはそのわからなさに惹かれるからだな、とこの本を読んでわかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年6月26日
- 読了日 : 2023年6月25日
- 本棚登録日 : 2023年6月25日
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