流れる星は生きている 改版 (中公文庫 ふ 18-4)

著者 :
  • 中央公論新社 (1994年8月10日発売)
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感想 : 16
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敗戦後、満州にいた家族は引き離され、やがて日本へと引き揚げてくる。
その間にあった想像を絶するような様々な出来事。
戦争の話はいくらか読んだが、こうして戦後の満州から引き揚げてくる最中の話は初めて読んだかもしれない。
夫と離れ、女手一つとなり幼子三人を連れての生活や旅はどんなに辛く激しいものだっただろう。
母は強しとは言うが、そんな言葉ひとつでは片付けられないほどの体力と気力が必要だったに違いない。
幸いにも三人のお子さんも、危ない橋を何度も渡りながら、なんとか生きて日本に帰られたようだ。
ただ、あとがきを読んで、そんな小さなお子さんだった彼らにも心には大きな傷をおっていると知った。
あの時代、生きることがどんなに大変で人間を醜くも変えてしまうものだったか。
今の人ではとても耐えることは出来ないだろうと思う。

2014.4.30

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2014年4月30日
読了日 : 2014年4月30日
本棚登録日 : 2014年3月9日

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