「ほしのこえ」DVD サービスプライス版

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感想 : 23
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 2002年公開の劇場アニメーション。今や一躍ヒットメーカーとなった新海誠の劇場デビュー作だが、この作品が世に出るまでの経緯や背景を一切無視して、1個の作品として観たならば、はっきり言って現在に通用するものではない(1990年代のゲーム風の絵柄や、仕方ないこととはいえ2040年代の話なのに携帯電話の形態が2000年頃のままなど)。個人制作でフルデジタルのアニメを、それも表現主義的なアートではなく商業ベースに乗るようなエンターテイメント(SFにしてラブストーリー)の内容で作ったこと、さらには2000年代初頭の「時代の空気」に敏感に反応した内容であったことが、当時大きな衝撃を与えたが、そうした前提を知らなければ自己満足の凡作に見えても仕方がない。個人的には、いわゆる「セカイ系」の世界観・思考がまったく肌に合わず(本作の場合、ヒロインが唯々諾々と「徴兵」され、少年がそれにまったく無抵抗なあたりに、ある種のファシズム肯定的な匂いを感じる)、以来新海作品を敬遠するようになってしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アニメ(劇場)
感想投稿日 : 2017年6月14日
読了日 : 2017年6月14日
本棚登録日 : 2017年6月14日

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