物語の中で一番つらく、暗いフロドとサムの旅路。その中で面白いのは、オークたちに個性があること。ゴルバクとシャグラトの会話が愉快。こういう会話を見ると、トールキンはオークにも人権(?)を認めていたのではないかと感じる。映画でのようにただの異形の悪魔のような存在ではなく、彼らにも彼らなりの考えをもって動く生き物であることがわかる。悪意の塊のような存在ではあるが、オークたちをめったやたらに殺しまくるのは間違っていると思ってしまう。異形のものを悪として考えるのは差別意識につながるのではないだろうか。
前巻に引き続き、中つ国の古い時代の、話が散りばめられており、シルマリルの後で再読すると感慨ひとしお。
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- 感想投稿日 : 2021年5月29日
- 読了日 : 2021年5月29日
- 本棚登録日 : 2021年5月29日
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