明治から戦後にかけて、命をかけて神秘の国チベットに潜入した10人の日本人の記録。僧侶や冒険家や諜報員と彼等の身分や目的は違っていたが、ヒマラヤ山脈などの困難な旅路を越え、未知の国にたどりつこうする、意思と胆力は全員に共通する。
現代の人間には驚異だ。
当時のチベットはアジアとヨーロッパを繋ぐ地政学にも重要な拠点だった為に、太平洋戦争前夜のキナ臭い情勢に巻き込まれてゆく。他の登場人物も面白い。東本願寺の怪僧大谷光瑞やロシアのスパイ、ラマ僧ドルジェフ(帝都物語の世界だね)、日本陸軍。もちろんダライラマ十三世も登場して、陰謀と野望が交差する。
ダライ・ラマ十三世に寵愛された素朴な僧侶 多田等観とチベットの底辺をみつめた諜報員西川十三が生き様が興味深い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
旅
- 感想投稿日 : 2017年5月26日
- 読了日 : 2017年5月25日
- 本棚登録日 : 2017年5月15日
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