ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
- ランダムハウス講談社 (2005年6月21日発売)
本書は「ブルーオーシャン戦略」というコンセプトだけでなく実践書としても大変有益な本ですし、純粋に読み物としても面白い。本書が優れている点を具体的にまとめると以下のようになります。
①翻訳の日本語がとてもわかりやすい
昨今のビジネス本は翻訳のプロではない人が訳していることも多く、読みづらいものが多数見受けられますが、本書の翻訳はとても優れているので原書の良さは損なわれていません。
②ブルー・オーシャン戦略を実施に移すまでのプロセスが非常に実践的であること。
単なるステップ論だけでなく、実際にどんな図表を使って進めればいいかなども述べられているため実践的です。
③経験に基づいているため、読者が気づく疑問点などにも網羅的に答えていること。
私は本書の冒頭付近で「ブルー・オーシャン戦略を模倣されるリスクはどの程度あるのか?」「実際に導入する際に現場の反発はどうマネージするのか?」などいくつかの疑問が浮かんでいたのですが、読みすすめるうちにそれらの疑問点にはちゃんと答えていることが判明して感銘を受けました。まさに経験に基づく実践的理論書です。特に現場をインボルブしていく方法についてはうなずくことが多かったです。
血の海(レッド・オーシャン)でいかに勝ち抜くかを考えるより、いかにブルー・オーシャンを創造するか考えるほうが100倍楽しいですし、実際そちらのほうが企業収益にもプラスに働きそうですね。想像力豊かな企業人なら本書を読んで、自社ビジネスのブルー・オーシャンについて何らかのヒントを得られるのではないでしょうか。本書お勧めです。
- 感想投稿日 : 2023年4月24日
- 読了日 : 2005年9月24日
- 本棚登録日 : 2023年4月24日
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