Autumn: SHORTLISTED for the Man Booker Prize 2017 (Seasonal Quartet, 1)

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  • Penguin (2017年8月31日発売)
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感想 : 2

英国がEU離脱を決めた2016年の夏、ケア施設にいる101歳のダニエルは夢を見ながら眠り続けていた。その枕元では32歳のエリザベスが本を読んでいる。彼女が8歳の時から二人はずっと特別な友人だったのだ…。四季四部作一作目。物語は過去と現在、半醒半睡にあるダニエルの意識の流れ、60年代ポップアートの女性画家の生涯など、何度も時間を行きつ戻りつして進む。過剰な韻の反復などいたずら気のある言葉遊びも面白い。利発で少し気難しい少女エリザベスと、その良き理解者ダニエルとの思い出はすばらしく滋味に溢れている.

エリザベスにとってダニエルとの友情は常に別格のもので、それは恋人が出来ても変わらない。14歳の夏に二人で運河沿いを散歩していた時、急に空が陰り雨が近づいてくる。それを見てエリザベスが夏を惜しむと、ダニエルは彼女の肩をつかみ、暗くなった空と反対の方角に向かわせ………“He didn't say anything. But all across the landscape down behind them it was still sunlit blue and green. She looked at him showing her the summer was still there. Nobody spoke like Daniel. Nobody didn't speak like Daniel.”(p.148) (2016)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アメリカ小説
感想投稿日 : 2019年1月19日
読了日 : 2018年8月8日
本棚登録日 : 2019年1月19日

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