改訳 遊ぶことと現実

  • 岩崎学術出版社 (2015年10月21日発売)
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遊ぶことが子どもの移行現象だということを、今日のバスの中で見た。お母さんが乳幼児を抱っこして、バスの手すりに掴まっていた。すると、真似してその子も手すりを掴み出したのだ。お母さんは危ないと思ったのか、その子の手を振り払うのだ。10回ほど繰り返しているうちに、その子はキャキャと遊んで、また払われた手を手すりに持っていくのだ。お母さんの意思に歯向かうのが楽しいらしいのだ。手すり遊びは、お母さんの模倣から始まったのだが、最後は反抗する遊びによって、お母さんから精神的に離れようとする「移行現象」となったのだといえる。それは心理現象なのかもしれないが、わたしには親子の相互関係を写す社会的現象のようにみえてしまったのだ。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 社会 society
感想投稿日 : 2023年2月8日
本棚登録日 : 2023年2月8日

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