そこまで期待していたわけじゃないけど、たまたま図書館で見つけてなんとなく気になって借りてしまった。結構な分量の本。最初の、じいちゃんのお葬式のシーンを少し読んでしばらく置いていてしまったけど、読み進めていったら止まらなくなっていった。
かつて料理人だったじいちゃんのカレーをお盆に食べていたいとこたちが、じいちゃんのレストランがあった場所でカレー屋を始めるために動き出す物語。一言でいえばそれだけなんだけど、なかなか読ませどころが多かった。
まず、圧倒的なカレーの描写。これまで食べたことのないカレーが出てきて、だんだん口の中がカレーでいっぱいになる。同じものは食べられないから、少なくともレトルトカレーくらいは準備しておいた方が良いかもしれない。実際、読んでた日の昼食はそれだった。
次に、アメリカにインド、沖縄・・と近年、コロナで難しくなった旅の気分が味わえた。
そして最後の方になるにつれ、じいちゃんの歴史、言うならばファミリーヒストリーになってくる。
自分も食べ物屋の血筋だから余計、共感するところも多かったかもだけど、いや、日本人でカレーが嫌いでなければ、どなたにでもお勧めできる一冊ではないかと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年3月23日
- 読了日 : 2022年3月6日
- 本棚登録日 : 2022年3月6日
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