地球の未来のため僕が決断したこと

  • 早川書房 (2021年8月18日発売)
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いろいろな報道がある中、気候変動とその対策に関して全体像をつかみやすくしてくれる本だと思う。

まず、年間排出量は510 億トンと考え、この数字とそれぞれの対策での排出削減量を比較することで、効果的、投資すべきかどうかの判断材料とする。
次に、排出量の打ち分けを5つに区分して、その区分の中で現在ある技術の可能性と限界を論じる。(電気を使う、ものをつくる、ものを育てる、移動する、冷やしたり暖めたりする)
さらに、技術的ブレークスルーの必要性については、グリーンプレミアム(代替技術を使うために、どれだけ余分名コストが生じるか)を計算し、到達するまでの難易度を考慮する。

ものをつくるための排出が31%、非常に大きい。自動車や機械や日用品を製造するのに、鋼鉄、プラスチック、セメントが必要であり、その工程で二酸化炭素が排出される。
P142 1トンの鋼鉄をつくると、およそ1.8トンもの二酸化炭素が発生する。セメントは1トンつくると1トンの二酸化炭素が発生する。
今のやり方では持続可能性はない、炭素ゼロの鋼鉄、またはそれに替わる素材が必要ということ。
プラスチックの問題はまた別で、炭素のおよそ半分はプラスチックの内部に留まる。分解に何百年とかかるので、残存するプラスチックが問題なのであり、気温上昇の原因とはならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年12月12日
読了日 : 2021年12月12日
本棚登録日 : 2021年12月12日

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