「シュルレアリスムとは何か」、「メルヘンとは何か」、「ユートピアとは何か」について著者の語った講義記録。アリスのワンダーランドの様に入り口がある訳ではなく、「現実」と思い込まれているものと連続している「超現実」。強度にあまりにも没頭すると、何処か別の世界に連続し、そのままそちらへ行ってしまうかもしれず、死の欲求さえ生まれてくると言う自動記述。過去でも現在でもなく、物と物、概念と概念が脈絡なく併置されている状態という、謂わば無秩序なオブジェ世界が生まれる。アナグラムもそうだと思うのだが。客観が人間に訪れる瞬間を捉えるのが、シュルレアリズムの文学や芸術のあり方と言う事。アナグラムに興味のあるワタシは、日本語という文字は自動記述やアナグラムには向いていないのかな、と考えてしまった。
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評論
- 感想投稿日 : 2010年8月20日
- 読了日 : 2008年7月17日
- 本棚登録日 : 2008年7月11日
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