明治期の著名人22人のコンパクトな評伝を集めたアンソロジー。最近の研究に依拠して通説的イメージを打破することが目指されている。それぞれの人物を新書15~20ページにまとめていて、気軽に読める。人選は本書「はじめに」でも述べられているが政治中心で、社会・文化に関する人物は少ない。ただ嘉納治五郎や福田英子が含まれており、一定の配慮はみられる。
ただ、なんというか、昭和史論争じゃないけど、やはり天下国家の人物を扱うと、「人間が見当たらない」という印象は持ってしまう。まあ「人物篇」と銘打ってしまえばそういう内容になるのはしょうがないので、そんなのは難癖なのかもしれない。ただそんな中でも福田英子の項は、彼女の女性としての煩悶や苦悩に筆致が及んでいて、異彩を放っているように思えた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2018年7月10日
- 読了日 : 2018年4月20日
- 本棚登録日 : 2018年7月10日
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