Yコンビネーター

  • 日経BP (2013年4月30日発売)
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感想 : 14
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テックスタートアップへの挑戦に興味がある人なら聞いたことがあるであろう代表的アクセラレータの、密着ノンフィクション。

私の中に未だ燻ぶるスタートアップへの憧れと、年齢も重ねそう簡単には動けない葛藤と間に、どんなことを考えれば良いかヒントを求めて手に取った。

まずわかったのは、Yコンビネータは、スタートアップのための短期合宿型のマラソン型ハッカソンのようなものだと言うこと。
グレアムは、スタートアップ創業は20代半ばまでの独身がベスト、理由は家族もまだなく没頭できるからと明言していて、若手向けの教育環境という側面も強いと感じた。(実際はもう少し上の世代も少数居る)

主には2011年夏期の3ヶ月に密着した内容だが、スタートアップたちの苦悩や喜び、成功、挫折がリアルに感じられて面白い。スタートアップしたい人ならきっと参考になる。

正直に言えば、各スタートアップ達のアイデアは割と平凡に感じるものも多い。それでも、コードを書いて自分で売り込めば、投資も集まるしビジネスにもなっているわけで、チャンスを掴むにはまず行動(やり切る)という教訓がまたここでも心に刺さる。

出版から10年以上経ち、本に登場したYC卒業生たちはどうなったのか調べてみた。FirebaseはGoogleクラウドの主要機能となり、ParseはFacebookが買収(しかし終了)、MongoHQはComposeと名を変えIBM傘下にあった。またCodecademy、Science Exchange、Rap Genius (いまはGenius) は今でもサービスを続けている。また、2009年卒だがStripeはIPO直前で時価総額は数兆円と目されている。
やはり夢はある。

読み終えたあと、心のざわつきを抑えられずにいた。理由はわかっている。

スタートアップをしたい、スタートアップに投資したいという人たちにはオススメ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 起業・ビジネス
感想投稿日 : 2023年5月1日
読了日 : 2023年5月1日
本棚登録日 : 2023年1月12日

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