明治かげろう俥: 時代短篇選集 3 (小学館文庫 や 4-7 時代短篇選集 3)

著者 :
  • 小学館 (2013年4月5日発売)
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本棚登録 : 53
感想 : 6
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山風明治短編選集、最終巻は、明治ものを手がける以前の、たまたま(?)明治を扱った短編を集めたもの。

しかしここで扱われている作品は、図らずも「時代の大きな事件の影で、その人生を破滅へと向かわせることになった人々の物語」が集められているように感じた。そのため、読んでて実にキツいものが多かった。

それにしても、表題作の登場人物、向畑治三郎の本当どうしようもない人生の変遷を描き、最後に「この無類に好人物の、哀れな、罪のない男の幸福な晩年を祈りたい。」と表する、作者の度量の深さに驚嘆する。それとともに、その思いを裏切るかのようなラストの"史実"にもまたどうしようもない人間のありかたを思い知らされた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代伝奇
感想投稿日 : 2013年9月3日
読了日 : 2013年9月3日
本棚登録日 : 2013年4月26日

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