海賊の世界史 上 (中公文庫 コ 6-1)

  • 中央公論新社 (2010年8月21日発売)
3.13
  • (1)
  • (5)
  • (6)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 83
感想 : 6
4

地域ごとに分けて、その地域における海賊の歴史を追っていく編年記風構成だけど、無味乾燥な事実の羅列ではなくって、資料に残る海賊をひとりひとり取り上げた列伝として読むことも。
あんなことも、こんな人もと盛りだくさん過ぎて、続けて読むと情報過多で頭がパンパンになってしまうけど、拾い読みだけでもけっこう楽しめます。
上巻ではバルバリア海賊の歴史の、中でもハイルッディン(本によってはハイレディンと称されることも)に一章を割いたのは当然として、バルバリア海賊にキリスト教徒の船(帆船)の造船技術と操法を伝えたのがオランダ出身の海賊だったとか、アルジェ総督に任じられた海賊の首領はイスラム教に改宗したヨーロッパ人がほとんどだったとか、なるほど~なトリビアがいっぱいでした。
個人的には、やっぱり女海賊の話が好き。有名なアン・ボニー、メアリー・リードの話はもちろんですが、私が一番気に入ったのはナントの騎士オリヴィエ・ド・クリッソンの未亡人ジャンヌ・ド・ベルヴィユ。夫が反逆罪で殺されたのを恨んで、居城の調度品も装身具も売り払って三隻の船を買い入れて武装し、フランス沿岸を荒らしまくったんですって!
歴史とはいえドラマチックな人々が多く登場する海賊列伝、とても面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史関係
感想投稿日 : 2013年7月14日
読了日 : 2013年9月22日
本棚登録日 : 2013年7月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする