地域ごとに分けて、その地域における海賊の歴史を追っていく編年記風構成だけど、無味乾燥な事実の羅列ではなくって、資料に残る海賊をひとりひとり取り上げた列伝として読むことも。
あんなことも、こんな人もと盛りだくさん過ぎて、続けて読むと情報過多で頭がパンパンになってしまうけど、拾い読みだけでもけっこう楽しめます。
上巻ではバルバリア海賊の歴史の、中でもハイルッディン(本によってはハイレディンと称されることも)に一章を割いたのは当然として、バルバリア海賊にキリスト教徒の船(帆船)の造船技術と操法を伝えたのがオランダ出身の海賊だったとか、アルジェ総督に任じられた海賊の首領はイスラム教に改宗したヨーロッパ人がほとんどだったとか、なるほど~なトリビアがいっぱいでした。
個人的には、やっぱり女海賊の話が好き。有名なアン・ボニー、メアリー・リードの話はもちろんですが、私が一番気に入ったのはナントの騎士オリヴィエ・ド・クリッソンの未亡人ジャンヌ・ド・ベルヴィユ。夫が反逆罪で殺されたのを恨んで、居城の調度品も装身具も売り払って三隻の船を買い入れて武装し、フランス沿岸を荒らしまくったんですって!
歴史とはいえドラマチックな人々が多く登場する海賊列伝、とても面白かったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
世界史関係
- 感想投稿日 : 2013年7月14日
- 読了日 : 2013年9月22日
- 本棚登録日 : 2013年7月14日
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