密室をテーマとしたミステリーアンソロジー『密室殺人事件』を読了。8人の作家の短編が収録されている(書き下ろしは羽場博行の『虚像の殺意』のみ)。
それに、このようなアンソロジーは、まだ未読の自分に合う作家を開拓することにも繋がると思う。一概に密室と言っても、それぞれの作家の持ち味が出ていると感じたからだ。
書いている作家は、阿刀田高、折原一、栗本薫、黒崎緑、清水義範、法月綸太郎、羽場博行、連城三紀彦。
本作を読む前までは、この8人の中で著作を読んだことのあるのは、折原一と法月綸太郎のみだった。読んだ作品数も、それほど多いとは言えない。
一番印象的だったのは、清水義範の『モルグ街の殺人』。これは、エドガー・アラン・ポー作の史上初の推理小説『モルグ街の殺人』のパスティーシュなので、予めポーのものを読んでおく方が絶対に楽しめる。
連城三紀彦の『ある東京の扉』も印象に残った。内容の面白さもさることながら、それ以上に文章が美しい。日本語で出来うる最高級の表現力に近いのではないかと思わされた。
他の作品も思いも寄らない展開やトリックが使われていて、さすがプロはよく考えてるなと感じた。密室の奥の深さを再認識させられた作品。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年8月19日
- 読了日 : 2014年7月31日
- 本棚登録日 : 2012年11月5日
みんなの感想をみる